「ステキな金縛り」の概要

〜〜以下ネタバレを含みます〜〜

「ステキな金縛り」のポイント

• 安定感抜群！豪華なキャスト
• 監督の顔（三谷幸喜）が見える作品
• 食べ物が本作の鍵…？

安定感抜群！豪華なキャスト

本作は、深津絵里と西田敏行が中心となって進められる作品だが、脇を固めたキャストも層が厚い。

竹内結子、山本耕史、深津絵里、木下隆行（TKO）、草彅剛、阿部寛、KAN、中井貴一、小林隆、浅野和之、戸田恵子、西田敏行、生瀬勝久、深田恭子、梶原善、篠原涼子、阿南健治、佐藤浩市、浅野忠信、山本亘、近藤芳正、山寺宏一（声のみ）、市村正親、相島一之、小日向文世、西原亜希、唐沢寿明、大泉洋
（エンドロール同様出演順）

ほんの一部の出演のみの主役級キャストすらいる豪華な配役。
エンドロールは、多彩な豪華キャスト故か出演順に掲載されている。
観ているこちらをワクワクさせ安定感のある豪華なキャストたちのおかげで、より内容にのめり込むことができる。

監督の顔（三谷幸喜）が見える作品

テンポの良い会話やキャストの演技で、思わずクスっとしてしまう笑わされる。
そんな中でもしっかりと導線の引かれた本格ストーリー。
これらは三谷作品の真骨頂であり、とても特徴的である。
このように監督の顔が見える作品を作れる日本人監督は決して多くないと思うが、それゆえに多くのファンが魅了されているのだろう。

本作は、三流弁護士と落ち武者の幽霊という、斬新な設定に加え、本格的なミステリーと女性の成長物語の要素も入った作品。
まさに、”笑い×本格ストーリー＝三谷作品”という方程式通りの作品であった。

食べ物が本作の鍵…？

本作は食べ物の描写が非常に多くあった。

速水（阿部寛）が糖質を多くとる食事シーン。
自分の欲望に真っ直ぐな姿が特徴的であった。

エミと六兵衛がファミレスへ行くシーン。
六兵衛の希望でファミレスに行き、好きなものをここぞとばかりに大量に頼むが、六兵衛は幽霊のため実際に食べることはできない。匂いを楽しみ、メロンソーダを息で泡立てて楽しむことしかできない、なんとも悲しげなシーンである。

この2つの対比から、「食こそ生の喜び」というメッセージ性を感じる。
食べることができるのは、幸せなことであるということを改めて認識した。

また、幽霊の声が聞こえない人たちへのコミュニケーションツールとして、笛ラムネを使ったり、シナモン好きであることが幽霊を見ることのできる条件の1つだったりと、食べ物に関する描写が多い本作。ここから、「食」が1つのテーマであると考えられる。

「ステキな金縛り」の一押しポイント

更科六兵衛を演じる西田敏行さんが本作の最高のスパイス。
シリアスからコメディまであらゆるものに対応できる西田さん。
私の好きな俳優さんの1人。本作は西田さんの良さがしっかり出ていた。

個人的に好きなシーンは、エミと六兵衛が旅館で事務所にどう行くかの会話をしているシーン。

エ「私はタクシーで向かいます！」
六「いや…あの…連れて行ってはもらえまいか…？」
エ「幽霊でしょ？瞬間移動とかあるんじゃないんですか？」
六「ぷふっ…無理(* ´艸｀)ｸｽｸｽ　何言ってんのあんた(* ´艸｀)ｸｽｸｽ
　　無理っすよ無理。できるわけねえじゃん(* ´艸｀)ｸｽｸｽ」

書いてはみたものの…文字では面白さは伝わらんな（笑）

しかし、実際に観れば西田さんらしさが全面にでたこのシーン！今回のイチオシに認定！

「ステキな金縛り」作品情報

• ジャンル：コメディ
• 時間：142分
• 公開年：2011年
• 監督：三谷幸喜
• 脚本：三谷幸喜
• 主要キャスト：深津絵里、西田敏行、中井貴一、阿部寛
• 配給会社：東宝